CAMPFIRE Angelsにメールインタビュー。新たなEXITの仕組みも考案

CAMPFIRE Angels(キャンプファイヤーエンジェルズ)は、日本最大のクラウドファンディング会社であるCAMPFIREのグループ会社です。運営会社は(株)株式会社CFスタートアップス。【2022.4.1追記】親会社の移動があり、グループ会社ではないもののの、引き続き相互パートナー契約を締結。

メールインタビュー

代表の出縄氏は、株式投資型クラウドファンディングの前身の制度であるグリーンシートの募集取扱業務で、9割のシェアを占めていたディー・ブレイン証券の代表ということで、今後に期待したいEXITやセカンダリーマーケットなどについて、投資家目線で聞いてみました。

質問者:カブスル

カブスル

2004年から株式投資をはじめた中堅投資家で、EXITのひとつであるIPOにも詳しいです。
2021年から株式投資型クラウドファンディングへの投資も開始。
投資前はクラウドファンディングに否定的でしたが、いまや応援する立場に。

※返答内容の「太字・色字」はカブスルが装飾しています。

出縄 良人

ご返答者:
株式会社株式会社CFスタートアップス
代表取締役 / 公認会計士 出縄良人様

  • 慶應義塾大学経済学部を卒業後、1983年に太田昭和監査法人(現:EY新日本有限責任監査法人)に入社。
  • 公認会計士として主に株式上場コンサルティング業務に従事後、1997年にディー・ブレイン証券を創業。
  • 株式投資型クラウドファンディングの前身の制度である日本証券業協会の「グリーンシート市場」の募集取扱主幹事で9割を超えるシェア
  • 同市場をリードして2010年までに141社に対して112億円のエクイティファイナンスを支援。
  • グリーンシート経由で東証等に上場した会社は19社に上る。
  • その後、ディー・ブレイン証券は上場引受主幹事業務に進出し、14社の上場をリード
  • 2010年にディー・ブレイン証券の代表を退任後、2015年にDANベンチャーキャピタル(現:株式会社CFスタートアップス)を設立。

2022年1月に実施させて頂いたインタビュー記事です。ご返答の内容は当時のもの。

CAMPFIRE Angelsについて

カブスルの質問

株式投資型クラウドファンディングをサービス展開している企業はいくつかありますが、CAMPFIRE Angelsさんの特徴と強みを教えて下さい。

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

CAMPFIRE Angelsは、資金調達をしたいスタートアップと、投資したいエンジェル投資家を繋ぐ株式投資型クラウドファンディング(以下「ECF」といいます。)のプラットフォームです。

CAMPFIRE Angel

まずECFについて簡単に説明すると、これまでVCや一部のエンジェル投資家だけが投資できていた非上場スタートアップ企業の株式に、個人の方でもECFを通じて投資いただけるようになりました。「未上場株への投資は初めてだ」という方でも始めやすいよう、CAMPFIRE Angelsに掲載されている案件はすべて、ファイナンスのプロによって現在の事業内容や今後の成長性等様々な観点から厳正な審査を行っています。

また、「エンジェル税制」の適用対象となる企業への投資を行うと、個人投資家は投資時点、株式売却時点のそれぞれの時点において税金の優遇措置を受けることができるというのもECFの魅力です。

プラットフォーム独自の特徴としては以下の4つが挙げられます。

  1. CAMPFIREとの連携案件を通じて製品やサービスの購入と併せて支援できること
  2. CAMPFIREで培われた優れたプランナーにより、ピッチを通じて事業内容がよりわかりやすく説明されていること
  3. 証券会社の投資銀行部門や上場コンサルティング業務の経験豊富なプロフェッショナルがキャピタリストとして企業の資本戦略を指導していること
  4. エンジェル税制適用ができる案件を中心としていること

また、資金調達を行う企業にとって他のECFプラットフォームとCAMPFIRE Angelsの最大の違いは、購入型クラウドファンディングのCAMPFIREとの連携です。

CAMPFIREは、商品やサービスのリターンを購入することを通じてプロジェクトを応援する仕組みです。連携して募集する案件については、CAMPFIRE Angelsで株主となった投資家が、CAMPFIREで自ら顧客となって応援することができます。多くの株主がCAMPFIREでの応援を通じて自ら売上に貢献したり、SNS等を通じてインフルエンサー的に発信をいただくことで、会社の成長を加速させることが可能です。また、逆に先行してCAMPFIREで応援をした支援者が、CAMPFIRE Angelsでも投資を行って株主となっていただくケースもあります。

CAMPFIRE Angelsでは発行会社が負担する手数料は、募集金額に応じて逓減する仕組みで、業界では最も低い水準となっています。さらにCAMPFIREと募集を併用する場合には、手数料を特別割引する制度も用意しており、相互利用を推進しています。

カブスルの質問

御社の従業員は何名でしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

20名です。

カブスルの質問

御社のユーザー層(投資家)について教えて下さい。
また、投資家登録の推移についても開示できるようであれば教えて下さい。

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

30代の男性が最も多い投資家層となります。

職業としては未上場・上場を問わず会社員の方が多く、長期的な成長を期待してご登録いただいている方が多い状況です。

先日、登録情報をもとにした調査を実施いたしました。トピックスは以下となります。

  1. 投資家の基本属性は「39歳男性」が最も多い
  2. 最も多い職業は「未上場会社員」次いで「上場会社員」
  3. 年収は「500-1,000万円」保有資産は「300-1,000万円」がボリュームゾーン
  4. 約70%以上の投資家が「長期的な成長期待」が投資目的と回答
  5. 約80%の投資家が「非上場株式投資は未経験」と回答

詳細なデータもまとめておりますので以下よりご確認くださいませ。

カブスルの質問

御社はCAMPFIREのグループ会社で、購入型クラウドファンディングを取り扱う「CAMPFIRE」と融資型クラウドファンディングを取り扱う「CAMPFIRE Owners」がありますが、グループ同士の連携などあるのでしょうか?

また、それは登録する事業者や投資家にもなにかメリットがありますでしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

CAMPFIRE Angelsとしては、特にCAMPFIREの購入型クラウドファンディングとの連携強化や、オープンイノベーションの動きを強める上場会社とのアライアンス支援によって投資後のハンズオンを特徴として鮮明にして参ります。

事業者にとっては、購入型で一定のファン獲得やテストマーケティングを終えた後、より事業を拡大していくために株式投資型もしくは融資型クラウドファンディングで資金調達をする、というルートでの活用も可能です。購入型クラウドファンディングでは製品やサービスを買って応援いただく仕組みですので、資本増強と売上拡大の両軸で事業の成長にプラスとなります。

購入型クラウドファンディングを併用する案件については、投資家にとっては、CAMPFIRE Angelsでご投資いただいた後、購入型クラウドファンディングを通じて会社の製品やサービスを利用することや、SNS等で発信、あるいはシェアいただくことで、株主として自ら直接、具体的にその会社の成長を支援できる醍醐味があります。

その結果、業績が上がって配当があったり、さらに株主皆さんの力で会社が成長して上場できたとしたら素晴らしいと思っています。

カブスルの質問

先日、御社から出縄様が書いたメールが届きました。 技術が難解で投資家も集まらなかった案件について、その分野の素人ながらも分かりやすく解説するというものでした。

解説メール

募集事業者は有り難いだろうなと、わたしは個人的に感動したのですが、これはどういった思いで書かれているのでしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

どんなに素晴らしいビジネスモデルや技術を有する会社であっても、それが投資家に伝わらなければ投資につながることはありません。

より多くの投資家の皆さんに、その会社のもつ魅力を伝えて応援いただきたいとの思いで書いております。

- カブスルのひとこと -

質問内容がややカブってしまいましたが、CAMPFIRE Angelsさんの大きな特徴が掴めました。

これまでは代表の出繩氏の経歴にばかり注目していましたが、2019年にCAMPFIREのグループ会社となったのは、他社にはない大きなメリットです。【2022.4.1追記】親会社の移動があり、グループ会社ではないもののの、引き続き相互パートナー契約を締結。

購入型クラウドファンディングは、企業や個人が製品化を目指す試作品を、一般の方に購入してもらうプラットフォームです。

プラットフォームの出品者側は消費者の買い意欲や商品へのニーズや改善点を得ることができます。また、購入者がSNSなどを利用することにより、情報の拡散が行われ知名度アップにも。

一昔前は個人が利用していたプラットフォームなんですが、最近は大手企業も利用しています。

CAMPFIRE Angelsさんのプラットフォームで事業運営の資金調達を目指す事業者さんは、CAMPFIREを通じて商品やサービスのテストマーケティングを行えるということで、一般の方向けの事業を行う事業者にとっては、非常にメリットが大きいのではないかと思います。

投資家はECFで資金調達に協力し、実際にその商品やサービスを購入型クラファンで体験でき、企業の成長を身近に感じながら支援できます。

株式投資型クラウドファンディングについて

カブスルの質問

株式投資型クラウドファンディングを利用する投資家のメリットには、どのようなものがあるでしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

これまで、未上場スタートアップ企業の株式はVCや一部のエンジェル投資家しか投資できませんでしたが、株式投資型クラウドファンディングによって、個人にも一口10万円から投資できるようになったということが一番のメリットであると考えています。

また、共感からの応援を行うとともに、将来投資先が新規株式公開(IPO)やバイアウト(M&Aなど)に至った際には、大きなリターンも期待できます。

さらに「エンジェル税制」を利用できる企業に対しての投資を行うと節税効果も期待できます。エンジェル税制とは、スタートアップ企業(ベンチャー企業)への投資を促進するため、企業へ投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度であり、個人投資家は税制上の優遇措置を受けることができます。

カブスルの質問

株式投資型クラウドファンディングのデメリットとして聞く話に、「名簿に乗る投資家が多くなる」という話を聞きます。
これには反社やワケのわからない投資家がいることでEXITの障壁になるという意味合いで目にしましたが、実際どうなのでしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

株主が増えることについての懸念については大きく以下の2つが挙げられますが、いずれも解決する方法が見えてきています。

一点目は、個人株主が増えることによる反社チェックの精度
VC中心のファイナンスの場合、株主の数は数十程度ですが、株式投資型クラウドファンディングを利用すれば数百名規模になることも珍しくありません。

しかし、私たちもプラットフォームとして、投資家の皆様にご登録いただく際に法律で定められた必要な審査はもちろん行っているので、その点は心配ありません。万が一上場審査で反社に該当する投資家が確認された場合にも、株主間契約の中に「買取条項」を設けていますので、判明した時点で強制的に株式を買い取れるな仕組みを整えています。

2点目は株主管理の煩雑さです。
単純に株主の数が増えると管理コストが増えますよね。

株主総会のお知らせや委任状の管理など、事務的な手続きが煩雑になることを懸念される事業者もいらっしゃいますが、CAMPFIRE Angelsは上場会社向けに株主管理のDXプラットフォームを運営している株式会社WILLSと業務提携しており、株主総会の招集通知の電子的交付や議決権の電子行使、オンライン株主総会開催などを利用できる体制を整えています。

これにより、株主管理業務の大幅な効率化が期待できますし、上場企業と同様のサービスをご提供できることで株主の皆様にご安心いただけるだけでなく、非上場のうちから株主管理体制を整え、経験を積めることは上場準備を具体的に進める段階いおいては主幹事証券会社の上場審査にもプラスに働きます。

上場審査にプラスになるメリット以外にも、株主が増えることのメリットも多く、最近ではVCやCVCの投資と連携するケースも増えています。第一は既に述べたとおり、会社を応援したいという気持ちの株主が多いことから、株主自らが顧客となって製品サービスを利用して売上に貢献いただいたり、SNS等を通じて発信をいただいたりすることがあげられます。これは、VCやCVCにとっても事業の成長につながることから歓迎されるものです。

またVC、CVCにとって、投資後、経営者の経営に対する姿勢が好ましくない場合など、厳しい指摘、指導をすることがあります。これは株式投資型クラウドファンディングで参加した株主にとっても重要なことです。VC、CVCの担当者が経営者を指導するにあたり、同じような考え方をもつ多くの株主が存在することは心強いこととと言えます。

逆に、VCやCVCなど一定のシェアを持つ株主が、会社の利益よりも自社やファンドの利益を優先する行動をとろうとした場合、経営者は多くの一般株主の利益を主張して、対抗することができます。一部のVCやCVCのための経営ではなく、株式投資型クラウドファンディングで参加した多くの株主が求める経営がしやすいというメリットがあります。

カブスルの質問

代表の出縄氏は、前制度であるグリーンシート時代より非上場株式の一般募集の業務を10年以上に渡り務めてきた経歴があると思います。

前制度の時代と比べて、株式投資型クラウドファンディングを利用する事業者に変化などはありますでしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

グリーンシートではディー・ブレイン証券がグリーンシート主幹事の9割のシェアを占めており、その他数社が主幹事を行っていました。

ここで主幹事といっているのは、制度設計上、上場によく似た制度となっており、一つの案件について複数の証券会社が同時に募集取扱を行っていまして、これが今日の株式投資型クラウドファンディングの制度と異なるところです。

例えばディー・ブレイン証券が募集取扱主幹事として審査等を行った案件については、ディー・ブレイン証券のほか松井証券や東洋証券が取扱証券会社として同時に募集を行っていました。

株式投資型クラウドファンディングでは、一つの案件に対して同時に複数の業者が取扱うことはありません

また、グリーンシート銘柄の取扱は「第一種金融商品取引業者」、すなわ地証券会社が募集の取扱を行う制度ですが、株式投資型クラウドファンディングは、第一種金融商品取引業者のほか、新設の「第一種少額電子募集取扱業者」が取扱うことができるようになっています。

これは非上場会社の株式の少額の募集取扱をインターネットを通じできるだけの特別な証券会社といった制度でして、株式会社CFスタートアップス社の有するライセンスは後者となっています。

- カブスルのひとこと -

なるほど・・・。
株式投資型クラウドファンディングは、事業応援・参加型のクラウドファンディング。

VCやCVCは、スタートアップ企業(ベンチャー企業)にとっては出資や、事業に関する様々なアドバイスをしてくれる大切なパートナーではありますが、キャピタルゲイン(株の売買の差額で利益を得る)を目的としている事業者でもあります。

自社の利益のために動きそうなところを、我々一般投資家の利益を守ることを主張して、身勝手な動きをけん制できるというのは、ECFならではなのかなぁと思います。

こういったお話ってまず記事などで目にしませんので、こういうのが聞けるのがメールインタビューの良いところかなぁと思います!(自画自賛)

プロジェクトについて

カブスルの質問

CAMPFIRE Angelsさんが取り扱っているプロジェクトの「EXIT件数」「解散・倒産件数」「存続件数」、それぞれ開示できるようでしたら教えて下さい。

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

サービスを開始してまだ1年弱であり、EXITに至った企業はありません。

また、今の時点で解散・倒産している企業もなく、CAMPFIRE Angelsを通じて資金調達に取り組んだ企業のすべてが現在も存続しています。

カブスルの質問

プロジェクトを組成しているチームは何名でしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

当社においてCAMPFIRE Angelsの案件組成に関わっているのは、キャピタリスト、プランナー及び審査部門を含めて併せて10名強のメンバーとなっています。

カブスルの質問

事業者や現在の事業内容のチェックなどはされていると思いますが、成長戦略(マイルストーン)にはチェックがはいっているのでしょうか?

もちろん、目標であり将来予想が難しいのは理解しておりますが、御社・他社問わず、キレイな成長戦略なのでいつも気になっております。

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

成長戦略にはリスクがつきものです。募集ページにおいては「リスク情報」が注意事項として開示されております。

成長戦略の成果として数値計画を実現するためには、リスク情報に記載されている様々なハードルを乗り越えることが前提となっています。

投資家にとってマイナスとなる情報ではありますが、リスク情報も併せて確認いただいて、投資判断をいただきたく思っております。

カブスルの質問

株式投資型クラウドファンディングでは、バイオベンチャーのプロジェクトが多いイメージがあります。

バイオベンチャーは、開発資金の資金調達が必要な事業であり、多くの投資家がプロジェクトに賛同し出資することで応援できるので、まさにECFには向いていると思います。

バイオベンチャーのプロジェクトが次々に成立していくためには、何が必要だと考えておられますか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

バイオ・メディカル案件の開拓と募集の成立の2つの側面からご回答したします。

まず、案件開拓ですが、バイオ・メディカル関連のスタートアップの多くは、医学系の大学に技術基盤があります。

特に創薬スタートアップは初期の段階で、大学の寄付講座等を通じて大学の研究施設を利用して開発を進めるケースが少なくありません。そこで当社としては難病の治療に資する創薬技術、診断が難しい病気の診断、医師の判断をサポートする情報システム、あるいは遠隔医療を支援するシステム等、最先端の技術を有する大学との連携が案件の継続的な開拓にとって重要と考えております。

次に、募集の成立に関してです。

募集前の案件審査においては、医薬に専門の知見を有する外部専門家等を交えて、技術内容の把握及び、特に創薬では非臨床研究及び臨床研究のステージとその結果を吟味して、承認に至る可能性とリスクについて確認していますが、投資家向けのピッチ情報の記述については、より噛み砕いた表現を行うことで、投資家に理解を深めていただくよう務めているところです。

具体的かつ、わかりやすく技術内容及び疾病の治療等に役立つのかを投資家に伝え、その社会的意義を理解していただくことが、案件の円滑な成立のために重要と考えています。

カブスルの質問

先日、投資したプロジェクトが残念ながら不成立となってしまいました。
不成立となった事業者へのフォローはどのようになっていますでしょうか?
また、再開する可能性もあるのでしょうか?(最低金額を落としてなど)

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

不成立には様々な原因が考えられます。

当社の審査をパスしたことで事業計画についてはその妥当性が評価されていると言えますが、投資家の皆さんにとっては事業計画も然ることながら、事業の新規性や成長のポテンシャルなど、投資家が社会に影響を与えるような本質的な魅力や共感を感じるかどうかが投資判断の拠り所となっていることが少なくありません。

ただ、個々の投資家によって関心のある分野や魅力を感じる事業は異なっており、その投資家の数の違いが案件によって応募金額の差として現れてきます。当社としては目標募集額に到達できると考えて案件化をしていますが、投資家の応募が結果として当社の想定を下回るケースでは不成立となってしまいます。

不成立後の募集については、不成立の原因の分析を行った上、発行会社と協議して検討して参ります。

ただ、目標募集額については事業計画を前提として設定されているため、安易にこれを引き下げて募集することはできません。事業計画の前提が崩れてしまうからです。

再度の募集については、事業計画の見直しを行い、合理的な目標募集額を改めて設定した上で、行うことが必要です。このような条件を満たせば、再度、募集を行うことは十分にあり得ます。

カブスルの質問

まだ募集に至っていない案件は、常時どれくらい抱えているのでしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

現在、当社では月に3件~4件のペースで案件募集を進める計画であり、平均的には3か月先の案件まで準備を行っています。

- カブスルのひとこと -

CAMPFIRE Angelsさんにメールインタビューをするのは、今回が2回目です。

2021年4月に姉妹サイトで行ったメールインタビューでは、「グリーンシートでも制度が発足してから最初の上場が実現するまで5年程度を要している」とお聞きしました。

同社の運営はまだ一年弱。
前制度での実績は充分にあるので、今後に期待させて頂きたいと思います。

ちなみに・・1回目のアンケート時はわたしはECF投資をしておらず、どちらかというと否定派だった為、今考えるととんでもない質問ばかりしております(汗)

また、バイオ・メディカル案件のお話も参考になりました。
わたしが不成立となって案件も同様のものだったんですが、やはり将来性をイメージするのが難しいんですよね。

ただし、社会的に必要な技術が多いので、ECFで盛り上がってほしい分野だと個人的には思っています。制度的にもこの分野に補助制度など入れて欲しいですよね。

セカンダリーマーケットについて

カブスルの質問

株式投資型クラウドファンディングの大きなデメリットのひとつである「流動性」。

売りたい時に売れないというリスクを改善するため、他社で未公開株を売買できるセカンダリーマーケットがまもなく誕生する予定です。

御社では流動性リスクを改善するため、なにか対策を検討されていますでしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

はい。競合のFUNDINNOではセカンダリーマーケットをスタートされましたが、当社においても、株主コミュニティ制度への参入を図るべく準備を進めているところです。

ただ、私がかつてディー・ブレイン証券にて、株主コミュニティ制度の前身のグリーンシート制度において、複数の証券会社も参加した市場システムとしてセカンダリーマーケットを運営した経験からは、流動性が十分に高まらず、価格形成機能も不十分でありました。

今回は、その反省を踏まえて、投資家にとって有用と考えらえる新たなEXITの仕組みを考案しているところです。

新たな仕組みについては、いずれ公表できるタイミングが参りましたら、ご説明させいただきたく存じます。

カブスルの質問

株式投資型クラウドファンディングは応援の意味合いが強いクラウドファンディングだと思います。

セカンダリーマーケットで未公開株が売買されると、参入してくる投資家が増える一方で、未公開株の価格が荒れるんじゃないか?と心配しておりますが、どのように考えておられるでしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

上述の通り、グリーンシート制度におけるセカンダリーマーケットでは、流動性が極めて低かった結果、価格形成機能が不十分となり、一部に価格が乱高下する銘柄がありました。

したがって当社では、その反省を踏まえて、株主コミュニティ制度での取引においては、新たな取引の仕組みを考案しているところです。

- カブスルのひとこと -

これまでの経験を踏まえて、新たなEXITの仕組みを考案されているとのことで、非常に楽しみですね!

セカンダリーマーケットによりECFの流動性が高まることで、売れないリスクを敬遠していた投資家も参加しやすくなりますし、業界がまた一段と盛り上がりそうです。

その他の質問

カブスルの質問

岸田政権が先日誕生しましたが、自民党総裁選の最中、TV番組で次の成長戦略に「スタートアップ」とフリップに書かれておられました。(分野などは言及せず)

これについて、なにか思うことはありますでしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

我が国においてはスタートアップに対するリスクマネーの供給に対する政策面の支援が欧米と比較して遅れていることは否めません。

米国においては非上場会社への証券法の規制が大幅に緩められ、レギュレーション・クラウドファンディングに加えて私募規制の例外規定であるレギュレーションDルール506Cや公募規制を緩和したレギュレーションA+など、様々な企業の実状に応じたエクイティファイナスを適用できるようになっています。

日本ではECFの少額規制はようやく特定投資家向けには撤廃になったものの、一般投資家の投資上限は1社50万円のまま。社債の募集は法的に認められず、種類株式の募集も実質的に制限されるなど、厳しい規制の中で行わざるを得ません。

投資家のリスク理解力と分別ある行動を信頼し、過保護な規制を緩和いただくことで、より多くのスタートアップが果敢にチャンレジできる社会を築いていただけるような具体的政策を期待しています。

カブスルの質問

東証マザーズ上場のウィルズと業務提携を行い株主管理をDX化、事務作業を軽減する仕組みを取り入れられていると思います。

人手不足の解消にもなり、良い仕組みだと思いますが、こちらの株主管理のコストは事業者が負担しているのでしょうか?

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

ウィルズとの契約は発行会社がそのコストを負担する契約となっています。とはいっても上場会社と比較すると格安な料金体系となっています。

ECFでは、株式を取得される方は電子申込を行っており、株主総会の招集通知の発送については株主間契約において電磁的送付に全員が同意していることから、全株主をDX管理できることができるのは大きなメリットと考えています。

カブクモをご覧のみなさんへ一言

カブスルの質問

株式投資型クラウドファンディングに興味を持っている方に一言お願いします。

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

私自身は、2010年までは株式投資型クラウドファンディングの前身の制度であるグリーンシートの募集取扱業務で9割のシェアを占めていたディー・ブレイン証券の代表として、非上場株式の一般募集の業務を10年以上に渡り務めてきました。

グリーンシートでは141社の募集を取扱い、そのうち19社が上場しています。グリーンシートはリーマンショック後のIPO激減で、制度そのものが消滅しましたが、株式投資型クラウドファンディングはグリーンシート制度のハードルを引き下げて、より多くのスタートアップが使いやすくした制度とも言えます。

上場会社だけでなく、多くのスタートアップに、公募増資による資本力の増強の選択肢が与えられること、また個人がエンジェル投資家として挑戦するスタートアップに資本参加できるチャンスが与えられることは、素晴らしいことと思っています。

米国では25万人の個人エンジェルが年間4兆円をスタートアップに投資しており、それが世界的なスタートアップ企業を生み出す原動力となっていると言われています。これと比較するとエンジェル投資家の数そのものが少ない日本ですが、株式投資型クラウドファンディングはエンジェル投資家のすそ野を広げ、誰でも小さなベンチャーキャピタルのようなポートフォリオにより投資ができる新しい世界が広がります。

VCに代わり専門家としての審査や指導を担うのが当社のような株式投資型クラウドファンディングの専業業者です。そしてエンジェル投資をお考えの皆さんも、是非、世界的にも急伸している新しい資産運用の枠組みである株式投資型クラウドファンディング制度を利用し、世界をリードする日本の未来のために大いに挑戦をしていただきたく思います。

カブスルの質問

株式投資型クラウドファンディングに対して否定的な考えを持っている方に一言お願いします。

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

株式投資型クラウドファンディングに否定的な意見の大半は、非上場会社でありながら株主が増えることに否定的な見解を持っていることによります。

多くの株主に支えられて事業が成長するのは、株式会社の本来の形です。

上場すれば株主が増えることを歓迎するのに上場前にそれを嫌うのは、主に反社チェックの負担が増える等の上場審査へのマイナスの影響を気にしてのものです。

ただ株式投資型クラウドファンディングでは業者に証券会社と同等の反社チェックが義務づけられており、株主に反社が含まれる可能性はゼロに近いといってよいでしょう。しかも株主とは株主間契約を締結しており、反社との関係性が明らかになった場合などには株式を強制的に買い取ることとになっています。

このような状況をしっかり理解いただければ、株式投資型クラウドファンディングを否定する理由はなくなります。上場前に株主総会の運営や資料作成等を経験することで、上場審査に適合する内部管理体制が早期に整備されることとなり、むしろ上場審査にはプラスとなります。

カブスルの質問

このインタビューをご覧いただいている初心者の方へ、最後にひとことがあればお願いします。

CAMPFIRE Angelsさんの返答
出縄様

非上場株式投資においては「売りたい」と思っても、上場株のように自由に売買できる機会が限られており、また、投資した株式がIPOやバイアウトにより現金化できることになったとしても、投資期間は中長期であることがほとんどです。

その間は投資した資金が凍結されてしまうハイリスクな投資であるため、あくまでも余裕資金での投資をご検討いただきつつ、まずは共感・応援できる企業に出会う楽しみを味わっていただけると嬉しく思います。

- カブスルのひとこと -

今回でCAMPFIRE Angelsさんにメールインタビューをさせて頂いたのは2回目ですが、どちらもすべての質問に真摯に答えて頂きました。

返答内容をみるかぎり、スタートアップ企業への愛があふれている内容だったんじゃないかと思います。そして、その愛ゆえに現行制度に対する怒りもやや感じられました。

ECFの業界を盛り上げるため、新しいEXITの仕組みについても大いに期待させて頂きたいと思います。

この度はお忙しい中、インタビューにご返答頂きありがとうございました。