株式投資型クラウドファンディングとは?

株式投資型クラウドファンディング(ECF)とは、非上場企業がインターネットを通じて、多くの投資家から少額ずつ資金を集める仕組みです。

投資家は出資の対価として、未上場企業の株式などを取得します。
出資先が将来、IPO(新規上場)やM&AなどでEXITした場合、大きなリターンを得られる可能性があります。

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日本では2017年に本格的なサービスが始まり、現在はFUNDINNO、イークラウド、Unicorn、CF Angelsなどのプラットフォームを通じて、個人投資家も未上場企業へ投資できるようになっています。

2025年2月の制度改正により、株式投資型クラウドファンディングの1案件あたりの発行価格総額の上限は、従来の1億円未満から5億円未満へ引き上げられました。

これにより、従来より大きな資金調達を行うスタートアップ企業も、ECFを活用しやすくなっています。

株式投資型クラウドファンディングのメリット

株式投資型クラウドファンディングの主なメリットです。

  • 個人でもスタートアップ企業に出資できる
  • IPOやM&AなどのEXITで大きなリターンを狙える
  • エンジェル税制の対象企業なら、税制優遇を受けられる
  • 出資した企業の成長を株主として見守れる
  • 社会課題や新しい技術に取り組む企業を応援できる

上場株とは違い、創業間もない企業や成長途中の企業に、比較的早い段階から出資できるのが特徴です。

個人でもスタートアップ企業に出資できる

株式投資型クラウドファンディング(ECF)の魅力は、個人投資家でも未上場のスタートアップ企業に出資できることです。

スタートアップ企業とは、新しい技術やサービスで成長を目指し、将来的にIPOやM&AなどのEXITを狙う企業です。

  • 日本でいえば、メルカリ(2013年創業、2018年IPO)
  • 米国でいえば、GoogleやMeta(旧Facebook)など

ECFの案件には、AI、医療、環境、地域課題、教育、食品、宇宙関連など、さまざまなテーマの企業が登場します。

  • スタートアップ企業:急成長やEXITを目指す企業
  • ベンチャー企業:創業が新しい企業全般を指すことが多い

どちらも成長期待はありますが、上場企業と比べると事業基盤が不安定な企業も多いため、投資判断は慎重に行う必要があります。

IPOやM&Aで大きなリターンを狙える

出資した企業が成長し、IPO(新規上場)やM&Aを行うことで、投資家がリターンを得られる可能性があります。

株式投資型クラウドファンディングに出資する投資家を、エンジェル投資家と呼ぶことがあります。

また、出資先企業が上場や売却などの出口を迎えることを、EXIT(エグジット)と呼びます。

  • IPO(新規株式上場)
  • M&A(事業売却・買収)
  • 相対取引やセカンダリーマーケットでの売却

IPOやM&Aが実現すると、出資価格より高い価格で株式を売却できる可能性があります。

株式投資型クラウドファンディングのEXITの種類
株式投資型クラウドファンディングはIPO(上場)でEXITが一番リターンの期待値が高い 株式投資型クラウドファンディングはM&Aによる事業売却もEXITのリターン期待値が高い 株式投資型クラウドファンディングは相対取引によるEXITもある 株式投資型クラウドファンディングは倒産による損失もあり

ただし、未上場株投資は「大きく増える可能性」がある一方で、「投資資金が戻ってこない可能性」もあります。期待リターンだけでなく、EXITまでの期間や失敗リスクもセットで考える投資です。

IPO(新規公開)については、姉妹サイトの庶民のIPOにて詳しく説明しています。

株式投資型クラウドファンディングは早い段階で出資できるため、将来IPOした場合、公開価格より低い取得価格になる可能性があります。

エンジェル税制の対象なら税制優遇を受けられる

エンジェル税制の対象となる企業に投資した場合、投資額に応じて所得税の優遇措置を受けられることがあります。

プロジェクトごとに、エンジェル税制A、B、プレシード・シード特例などの対象になっているかが表示されます。

優遇措置A 優遇措置B
主な控除対象 総所得金額から控除 株式譲渡益から控除
控除金額 投資額から2,000円を引いた金額 投資額全額
主な対象企業 設立3年未満の中小企業者など 設立10年未満の中小企業者など
  • 優遇措置Aの控除上限は、総所得金額×40%と1,000万円のいずれか低いほうです。
  • 優遇措置Bは、株式譲渡益がある投資家にとって使いやすい制度です。
  • 実際に適用できるかは、投資先企業の要件や投資家側の条件により異なります。

エンジェル税制は節税メリットがある一方、確定申告が必要です。
投資先から届く確認書などの書類も必要になります。

株式投資の譲渡益がある年は、優遇措置Bやプレシード・シード特例の対象案件が魅力的に見えることがあります。ただし、節税を目的に投資するのではなく、事業内容や企業価値、EXITの可能性を確認したうえで判断したいところです。

出資した企業の成長を見守れる

株式投資型クラウドファンディングでは、投資後に事業進捗やIR情報が届くことがあります。

上場企業の決算短信とは違い、事業の進捗や課題を身近に感じやすく、株主として企業の成長を見守れるのも特徴です。

カブスルも投資している企業から近況報告(Letter)が届きました。

株式投資型クラウドファンディング投資先から届いた近況報告

上場企業の開示とは違い、事業の進捗を身近に感じられるのは面白いところです。

投資先企業の中には、株主向けの優待や特典を用意している企業もあります。

一方で、応援したい気持ちが強くなるほど、冷静な判断が難しくなることもあります。
未上場企業への投資は、応援と投資判断を分けて考えることが大切です。

株式投資型クラウドファンディングのデメリット

株式投資型クラウドファンディングの主なデメリット・リスクです。

  • 売りたいときに売れない流動性リスク
  • 解散・倒産により、投資資金を失うリスク
  • 未上場企業のため、企業価値の妥当性を判断しづらい

ハイリターンを狙える一方、上場株よりも情報が少なく、売却も難しい投資です。

売りたいときに売れない流動性リスク

非上場株式は、上場株のように好きなタイミングで売買できません。

上場株であれば、証券取引所を通じて売却できます。
一方、ECFで取得した未上場株式は、売却先を自分で探す必要があったり、投資先企業の承認が必要になったりします。

株式投資型クラウドファンディングで取得した株式等を売却したいときは、ご自身で売却先を探さなければなりません。また、投資先の株主総会、取締役会又は取締役等の承認が必要な場合があります。

この流動性リスクを補う仕組みとして、FUNDINNO MARKETのようなセカンダリーマーケットも登場しています。

セカンダリーマーケットにより、EXITを待たずに未上場株を売却できる可能性は広がりました。
ただし、必ず買い手が見つかるわけではなく、希望価格で売れるとは限りません。

解散・倒産により投資資金を失うリスク

未上場企業への投資では、出資先がEXITするまでに数年から10年程度かかることがあります。

その間に事業がうまくいかず、解散・倒産するリスクがあります。

倒産した場合、出資した資金は基本的に戻ってきません。

ECFは「少額から投資できる」ことがメリットですが、投資先が倒産すれば、少額であっても損失は発生します。複数案件に分散する、投資金額を抑える、無理に追加入金しないなど、リスク管理が大切です。

企業価値の妥当性を判断しづらい

株式投資型クラウドファンディングでは、未上場企業の株式を取得します。

未上場企業は上場企業と比べて開示情報が少なく、同業他社との比較も難しいため、提示されている企業価値が妥当かどうかを判断しづらい面があります。

  • 売上がまだ小さい企業でも、高い企業価値で募集されることがある
  • 事業計画どおりに成長するとは限らない
  • 次回の資金調達で、今回より低い評価額になることもある

投資する際は、事業内容だけでなく、売上規模、利益、資金使途、既存株主、想定企業価値、EXITまでの道筋を確認しておきたいところです。

プラットフォームを通じて出資する

株式投資型クラウドファンディングでは、投資家と企業をつなぐプラットフォームを通じて出資します。

プラットフォームは、企業の事業内容、財務状況、法令順守状況などを確認し、審査を通過した案件を掲載します。

代表的なプラットフォームには、FUNDINNO、イークラウド、Unicorn、CF Angelsなどがあります。

なお、FUNDINNOは2025年12月5日に東証グロース市場へ上場しました。株式投資型クラウドファンディングを運営する企業自身が上場したことは、業界にとっても大きな出来事です。

人気案件は、募集開始から短時間で上限金額に到達することがあります。

一方で、募集が成立したからといって、投資先企業の成功が保証されるわけではありません。

発行企業と投資家の投資上限

株式投資型クラウドファンディングには、発行企業側と投資家側に上限があります。

区分 上限 補足
発行企業 1案件あたり5億円未満 2025年2月の制度改正で、従来の1億円未満から拡大
一般投資家 同一発行者につき50万円または200万円まで 投資家の財産状況などに応じて確認
特定投資家 制限なし 一般投資家とは異なる扱い

従来は「発行企業は1年間に1億円未満、投資家は1社につき1年間に50万円以下」と説明されることが多かった制度ですが、現在は改正により、より大きな資金調達や投資が可能になっています。

ただし、上限が広がったからといって、投資リスクが下がるわけではありません。

未上場株は売却しづらく、損失が出る可能性も高いため、投資金額は余裕資金の範囲に抑えるのが基本です。

応援投資ではなく、リスクの高い未上場株投資

株式投資型クラウドファンディングは、応援したい企業に投資できる魅力があります。

ただし、実態は非上場企業の株式に投資するハイリスク投資です。

  • 投資家は、EXITが実現すれば大きな利益を得られる可能性があります。
  • 出資先企業は、資金調達により事業成長を目指せます。
  • 社会にとっては、新しいサービスや技術が広がる可能性があります。

成功すれば三方よしですが、失敗すれば投資資金を失う可能性もあります。

「応援したいから投資する」だけでなく、「この企業価値で投資してよいか」「EXITまで待てるか」「失っても生活に影響がない金額か」を確認してから投資しましょう。


株式投資型クラウドファンディングは、少額からスタートアップ企業に出資できる一方、流動性が低く、倒産リスクもある投資です。

大きなリターンを期待できる可能性はありますが、上場株や投資信託よりもリスクは高め。
投資する場合は、複数案件に分散し、無理のない範囲で楽しむのがよいと思います。

カブクモでは、株式投資型クラウドファンディングの仕組みやプラットフォーム、EXIT実績などを紹介しています。